ログイン♢ダイモンの転生
ダイモンの身体が燃え尽きて魂が転生準備に入ったらしく、その魂が輝きながら俺の目の前にやってきた。あれ? 悪魔は不死の存在なんじゃ?? 肉体が復活するんだよね? 思ったのと違うんですけどっ!? レイニーは、予期せぬ事態に内心で困惑した。
「わぁっ。な、なに、なに? え、おばけっ? え? こわぁーい!!」
レイニーは隣りにいたディアブロに抱きついた。その声は、恐怖に震えている。
「おばけ? それは存じませんが……ダイモンとやらの魂ですね。文句を言ってくるようならば、私が消し去りますので……ご安心を」
ディアブロは、レイニーを慰めるように言った。
「ちがう、いや……違います。どうか、私を配下にお願いしたく……恥ずかしながらお願いをしに参りました。どうか許されるならば、転生をしたのち配下に……」
ダイモンの声が脳内に響いてきた。その声は、必死で、どこか懇願する響きを持っている。
転生したのちに配下って……早くても15年後って事でしょ? 配下になるのは勝手だけどさぁ……そんな先のことは忘れちゃってるって。レイニーは、その提案の現実離れした部分に呆れた。
「配下になるんなら、様子見も兼ねて、今ここで転生して俺に仕えてよ。それで〜なんだっけ? 従者契約だっけ? それをしてもらおうかな」
レイニーは、プカプカと浮かぶ光る魂だというモノに、ディアブロに隠れながら顔を出し言った。
「私も、ここで転生をしたいのですが、転生先は選べず……悪魔界で悪魔に転生をし、生まれ育つしかないのです」
ダイモンが、申し訳なさそうに言ってきた。その声には、現状への諦めが滲んでいる。
ん……本人も望むなら、ここで転生をすれば良いんじゃないの? たぶん出来ると思うけどなぁ。レイニーは、自分の魔法の可能性を信じていた。
「そう、ここ
レイニーの手のひらがゆっくりと上向きに開かれると、その上に奇妙な現象が現れた。まるで空間そのものに穴が空いたかのように、不気味な黒い穴がぽっかりと浮かび上がる。その穴からは、まるで炎のように陰が揺らめき、不気味なオーラが周囲に漂っている。 その異次元の穴は、見る者に底知れぬ恐怖を与えるもので、その中を覗き込むと、まるで無限に続く闇が広がっているように見える。穴から漏れ出す陰は、まるで生き物のようにうごめき、周囲の空気を一層重く冷たくする。 揺らめく陰の中からは、かすかに異次元の叫び声や呻き声が聞こえてくるような錯覚に陥る。その不気味な音は、心の奥深くに刺さり、恐怖と不安を呼び起こす。聞くまでもなく、目の前にあるものが極めて危険なものであることを誰もが本能的に感じ取ることができる。「これは、異次元牢獄って呼ぶことに決めたっ♪」 レイニーが明るく言うが、これを見せつけられた二人は恐怖で動けずに見つめていた。その顔は、蒼白く、凍り付いたようだった。「これって、何なんですか?」 ロディーが怯えた表情で聞いてきた。その声は、恐怖で震えている。「だから、異次元牢獄だって。ただの無の空間だよ〜。時間も光も存在しない、ただの無の空間かな」 と、レイニーが軽く説明をした。「そ、そんなもの……怖くなんて無いわよっ。わたしにも使えるもの……」 リリスが震えながらそっぽを向いて、ツンとした表情で答えた。その声は、強がりの色が濃い。 あーちゃんが、リリスの方を向いて話しだした。「リリスがいう空間魔法とは別次元だよ。そこは、わたしでも抜け出すことは不可能なんだよね……。不死という事が逆に最悪につながる場所だよ。永遠の時を、存在するだけの無の空間なんだよ……コワイなぁ」 あーちゃんがリリスに補足した。その声には、深い恐怖が滲んでいる。 リリスが、あーちゃんの説明を聞いて怯えた表情になり、動揺した様子だったが「そ、そう……別に、仲良くすれば良いんで
リリスはレイニーに向かい、静かに跪くと頭を深く垂れた。彼女は小さな声で言ってきた。「レイニー様、ありがとうございます。リリスの名を有り難く拝命させていただきます」 彼女は、感謝の言葉を漏らした。その声はかすかでありながら、真摯な思いが伝わってくる。 リリスは、転生の難しさを知っており、それを可能にしたレイニーの力の偉大さを改めて実感していた。彼女の背中には冷たい汗が流れ、その場の空気が一層重く感じられる。「あなた様のおかげで、新たな命を得ることができました。心より感謝申し上げます」 リリスは俯きながら静かに続けた。その瞬間、彼女の心には深い感謝とともに、レイニーへの絶対的な敬意が芽生えた。 やがてリリスは顔を上げ、照れ隠しのためツンとした表情を浮かべた。その表情には、彼女が持つ誇りと独立心が垣間見える。彼女はレイニーに一礼すると、ゆっくりと背を向けて歩き出した。その姿には、小さくても強い意志と決意が感じられた。 彼女の姿は、幼い少女のものでありながら、何か特別な雰囲気をまとっていた。長い漆黒の髪はゆるやかにウェーブがかかり、風に揺れるたびに闇の光を反射して美しく輝く。 顔立ちは端正で、大きく可愛らしい目元が特徴的だった。その目元は、冷たくもあり、同時に魅惑的な雰囲気を漂わせていて。彼女の瞳は大きく、紫色に輝いていた。その瞳はまるで宝石のような美しさを持ち、妖しい光を放っている。その瞳の奥には、かつての上位の悪魔としての威厳と知恵が宿っているかのようだった。転生後も変わらず、可愛らしさの中に妖艶さを感じさせる。特に微笑むと、その顔には不思議な魅力が漂い、その微笑みを見た者は思わず心を奪われてしまう。 彼女の肌は健康的な色白で、その美しさを一層引き立てている。頬にはかすかに赤みが差し、その色合いが彼女の可愛らしさを際立たせていた。唇は薄い赤色で、その形は整っており、微笑むと柔らかな印象を与える。 全体として、リリスの顔は、かつての威厳と新たな可愛らしさが見事に融合し、その存在感はまさに唯一無二だった。 リリスの体型は、スレンダーで優雅であり、幼い姿ながらその動きには優雅さが感じられる。健康
あぁ……もう一人の気配が、そいつかぁ。偵察に送り込んできている悪魔かと思ったけど、ちょくせつ本人が見張っていたのね。結界でも張っているのか……害意や殺意を感じなかったなぁ。レイニーは、ロディーの言葉で状況を理解した。「わかった〜。ディアブロも擬態して。もう帰るよ」「かしこまりました」 ディアブロが素直に返事をした。「え? 放置されるのですか?」 ロディーが、驚きの表情をして聞き返してきた。その瞳は、レイニーへの不安を訴えている。「ん? 放置なんてしないよ〜。俺の仲間を殺せって指示をした人でしょ……!? 逃がすわけ無いじゃん♪」 レイニーの言葉には、新たな敵への強い闘志が込められている。「伯爵様なので、ディアブロ様の加勢も必要かと……。相手は伯爵様なのです。魔力も桁違いですし、策略にも長けていますし。攻撃を仕掛けに行けば、必ず罠を張り巡らせているはずです」 心配そうな表情をしてロディーが訴えてきた。その声には、レイニーを案じる気持ちが強く表れていた。♢新たな仲間、リリスの誕生 ロディーが、心配そうな表情で見つめてくるので少し心配になってきた。「そうなの?」レイニーがディアブロを見つめた。 ディアブロが、それを無視をしてあーちゃんの姿になった。という事は、大した事ないんじゃないの? というか伯爵よりディアブロの方が上なんだよね? だったら問題ないじゃん? レイニーは、ディアブロの態度から楽観的な結論を導き出した。「さー帰ろー! 黒炎球〜っ♪ えいっ」 レイニーが黒炎球を指で弾くと、あーちゃんとロディーが黒炎球をジッと目で追い眺めていた。黒炎球は上空に登り、隠れ潜んでいる悪魔の元へ向かった。ミシミシと音を立て強引に結界を砕き、黒炎の火柱が上がり、女性の叫び声が聞こえた。黒炎球って便利じゃない? オート追尾だし、対象しか影響しないし〜放っておいてもいいし♪ レイニーは、その性能に満足げだった。
♢ダイモンの転生 ダイモンの身体が燃え尽きて魂が転生準備に入ったらしく、その魂が輝きながら俺の目の前にやってきた。あれ? 悪魔は不死の存在なんじゃ?? 肉体が復活するんだよね? 思ったのと違うんですけどっ!? レイニーは、予期せぬ事態に内心で困惑した。「わぁっ。な、なに、なに? え、おばけっ? え? こわぁーい!!」 レイニーは隣りにいたディアブロに抱きついた。その声は、恐怖に震えている。「おばけ? それは存じませんが……ダイモンとやらの魂ですね。文句を言ってくるようならば、私が消し去りますので……ご安心を」 ディアブロは、レイニーを慰めるように言った。「ちがう、いや……違います。どうか、私を配下にお願いしたく……恥ずかしながらお願いをしに参りました。どうか許されるならば、転生をしたのち配下に……」 ダイモンの声が脳内に響いてきた。その声は、必死で、どこか懇願する響きを持っている。 転生したのちに配下って……早くても15年後って事でしょ? 配下になるのは勝手だけどさぁ……そんな先のことは忘れちゃってるって。レイニーは、その提案の現実離れした部分に呆れた。「配下になるんなら、様子見も兼ねて、今ここで転生して俺に仕えてよ。それで〜なんだっけ? 従者契約だっけ? それをしてもらおうかな」 レイニーは、プカプカと浮かぶ光る魂だというモノに、ディアブロに隠れながら顔を出し言った。「私も、ここで転生をしたいのですが、転生先は選べず……悪魔界で悪魔に転生をし、生まれ育つしかないのです」 ダイモンが、申し訳なさそうに言ってきた。その声には、現状への諦めが滲んでいる。 ん……本人も望むなら、ここで転生をすれば良いんじゃないの? たぶん出来ると思うけどなぁ。レイニーは、自分の魔法の可能性を信じていた。「そう、ここ
「俺の仲間を傷つける者には、地獄の苦しみが待っていることを教えてやる。悪魔だろうが、神だろうが……関係なくね」 その言葉とともに、黒炎球はさらに大きくなり、周囲にいる者たちの心に恐怖の影を落とし続ける。その恐ろしい光景は、まさに闇の魔法の真髄を見せつけるものであった。「レイニー様、デカすぎます……それ、黒炎弾ですよね?」 ディアブロが確認をした。その声には、焦りと、わずかな怯えが混じっている。 はい? 黒炎弾? 知らないなぁ〜。ディアブロの放ってきたモノをただイメージをしただけだしぃ。レイニーは、あっけらかんとした顔で首を傾げた。「知らない〜黒炎球って感じ? 知らないけど……」「我も、存じ上げませんが……その威力は……ここにいるだけでもダメージを受けるほどです」 ディアブロの声は、震えていた。「あーはいはい。威力を落とせば良いんだね……心配性だなぁ……ディアブロは〜」 レイニーは、ディアブロの心配を軽くあしらった。「は? ディアブロ様……え? あのディアブロ様?」 ダイモンが僅かにディアブロという名前を耳にした。その顔は、驚愕と、深い絶望に染まっていた。 レイニーが魔力を抑えシューと黒炎球が小さくなり、ビー玉程度に抑えられ、レイニーが指で弾くとゆっくりとダイモンへ向かっていく。見た目は弱々しく弾き返せそうで、避けるのも簡単そうに見えた。その小さな黒炎球は、しかし、確かな殺意を宿していた。 ダイモンがニヤッと笑いシールドを張ったが、黒炎球がシールドをミシミシと音を立て貫通してきた。転移を使い逃げるが追いかけてくる、徐々に迫る恐怖を味わった。その音は、ダイモンの心の奥底にまで響き渡る。「な……なんなんですか? あれ」 ダイモンの声は、もはや恐怖に支配されている。「あ
「大人しく殺されなさい……」 ダイモンが冷たく囁くように言うと、エリゼが抵抗し動いたからか頬から血がにじみ出てきた。その赤い雫は、レイニーの視界を真っ赤に染めた。 エリゼを傷つけられたという、怒りの感情が溢れ出し、レイニーはエリゼに改めて完全遮断の結界を張った。この結界はこの世界と切り離されているので周りで何が起きようが影響を受けない。だが、何が起きているのか見えず、聞こえず、閉じ込められた感じになってしまう。空間の中に外の風景を投影してストレス軽減をしておいた。レイニーの心には、エリゼへの深い愛情と、ダイモンへの激しい怒りが渦巻いていた。 エリゼの傷は回復魔法が効かないと言っていたので、レイニーのスキルのイメージで治療した。回復ではなく、イメージで元の状態を復元した感じで、治すのとは違う。エリゼの頬の傷は、みるみるうちに消えていった。 さて、コイツをどうしよう……? 大切な仲間のエリゼを傷付けた大罪人を。背負われていたあーちゃんが、いつの間にか擬態を解き、ディアブロの姿で現れていた。その漆黒の翼は、闇の中で静かに広がる。「主よ……どうか怒りをお沈め下さい」 現れたディアブロが怯えた様子で跪いてきた。その声は、震え、レイニーの放つ怒りのオーラに怯えているようだ。「なんでさ? 仲間を傷付けられて許せるわけ無いでしょ。なに? 同族が殺されるのが嫌なわけ?」 レイニーは、ムスッとした表情をしてディアブロに言った。俺の仲間が傷つけられて許せっていうの? それで、自分の同族はゆるせって? あり得ないしっ。レイニーの言葉には、ディアブロへの不満と、エリゼへの強い庇護欲が込められている。「あんなヤツは、どうでもいいですが……。その力で攻撃は……マズイです。辺りが滅びます」 ん!? あ、同族をかばう気はないらしい。『あんなヤツ』とか言ってるし。ディアブロの言葉に、レイニーは少し驚いた。「ん? ディアブロには関係ないことじゃないの? 不死なんだろ?」「